お中元の定番の品といえば、上質なそうめんを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。夏真っ盛りのお中元の時期、涼やかでさっぱりといただけるそうめんは、とても喜ばれる贈り物ですよね。
実はお中元の品としてよくそうめんが選ばれるのには、そうした美味しさだけでなく、色々な意味があることをご存じですか？
今回は、お中元の品のそうめんに込められた意味と、お中元の品として贈るそうめんはどんなものがおすすめであるかについてご紹介します。
お中元のそうめんにはどんな意味が込められている？
お中元を贈る相手というのは、普段あまり会えない方が多いですよね。そうめんは、細く長いことから「普段なかなか会えない方とのお付き合いが、細くとも長く続くように」との意味が込められているそうです。
また、「御先祖様とのご縁をつなぐ糸」として、お盆にそうめんをご先祖様にお供えする習慣があったそうです。古来より日本では、そうめんは「御先祖様と再会する喜びの象徴」だったのだそうです。
そのほか、そうめんは、江戸時代の頃には将軍や宮廷に献上する高級品であったことも、贈り物に選ばれる理由として挙げられます。昔に比べるとぐっと手が届きやすくなったそうめんですが、職人の手によって作られる白く美しい高級な品は、今でも特別感がありますよね。
お中元には職人が仕上げる手延べそうめんがおすすめ
ひとくちにそうめんと言っても、普段の食卓仕様のお手頃なものから、贈答用の高級なものまで、様々なものがあります。その違いは一体なんでしょうか。
そうめんの特徴と言えば、まるで絹糸のように繊細な細さ。そうめんを細く長く仕上げるには、機械を用いて蕎麦やうどんのように麺を細く切り出していく「機械製法」と、昔ながらの「手延べ製法」があります。
手延べ製法では、太い麺を棒に引っ掛けるようにして吊るし、職人が細く長く引き伸ばしていきます。その過程で適度なヨリがかかり、またグルテンがしっかりと形成されるため、なめらかでコシがある食感となります。また、じっくりと時間をかけて伸ばしていくため、熟成され旨みが増します。
手延べそうめんは手間も時間もかかり、また熟練の職人のみが会得した高い技術を要して作られます。そのため、価格も高価です。その分、そののど越しの良い食感と美味しさは格別。まさに、年に一度のお中元の品としてぴったりですね。
そうめんには、作られる場所によっていくつかの種類があります。中でも約1200年の歴史があるといわれる奈良県三輪地方の「三輪そうめん」は、ほかのそうめんより細くつるっとしたのど越しが特徴で、夏場に食べやすいことからお中元に大変人気です。こちらからお中元用のそうめんを買うことができますよ。焼津産のかつお節をたっぷりと使った専用のつゆもセットになっており、贈り物としてとてもおすすめです。
そうめんに込められた意味や、美味しさの秘密まで知って贈れば、より一層気持ちが伝わります。ぜひ今年のお中元選びの参考にしてくださいね。